なお、セイコーの公式オンラインショップ「セイコー オンラインストア」では「2026年9月7日(月)午前0時から正午12時までの間、価格改定に伴うシステムメンテナンスのため当ストアをご利用いただくことができません。」と2026年08月07日付で告知されていますので、オンラインで購入を検討されている方はご注意くださいね。
以上の集計から、値上げ率が最も高いのは3万円未満のエントリーゾーン(セイコー/セイコーセレクション)で、逆にプロスペックスのような主力の中〜上位ライン、エクセリーヌのような高価格帯は値上げ率が最も低いという傾向が読み取れます。
この結果が示すのは以下のような可能性です。
エントリーモデルほど原価構成における「固定費」の比率が高い:ムーブメントやケース素材など、価格に関わらずほぼ一定額かかるコストは、定価が安いモデルほど原価に占める割合が大きくなります。そのため、部品・貴金属・素材コストが一律に上昇すると、安価なモデルほど%ベースの値上げ率が大きくなりやすいという説明が可能です。
上位ラインは価格改定を小幅に抑え、ブランドの価格競争力を維持:プロスペックスやエクセリーヌのような主力・高価格帯モデルはあえて値上げ幅を抑制し、既存ユーザーの離反や国際市場での価格競争力低下を防いでいる可能性が考えられます。
今回の価格改定に関するセイコーの公式発表には具体的な理由の記載はありませんが、時計業界を取り巻く外部環境を見渡すと、値上げに踏み切らざるを得ない複数の要因が浮かび上がってきます。
歴史的な水準まで進んだ円安
まず無視できないのが為替の動きです。2026年7月末には、ドル円相場が約40年ぶりの円安水準となる163円台まで下落しました。その後、政府・日銀による円買い介入や日米協調介入が実施され、8月には155円台から158円台での推移となっていますが、依然として歴史的な円安水準にあることに変わりはありません。
時計に使われるムーブメントの部品や輸入素材の多くはドル建てで取引されるため、円安が進めば進むほど、同じ品質の製品を作るための調達コストは膨らみます。
もう一つ見逃せないのが、「内外価格差の是正」という視点です。多くの時計ブランドは輸送費や人件費、材料費の高騰に加えて、円安によって広がった内外価格差を是正するために価格改定に踏み切る傾向があります。円安が進むと、同じモデルでも海外価格を円換算した金額と日本国内の定価との間に差が生じやすく、実際、海外ではセイコーが比較的安価で販売されている一方、超円安の状況では海外価格を円換算すると割高になりやすいという指摘もあります。
こうした内外価格差が放置されれば、訪日外国人観光客による「爆買い」や、海外価格との差を狙った並行輸入が加速し、国内市場での需給バランスが崩れかねません。今回の価格改定には、単なるコスト増の転嫁だけでなく、円安下でも世界共通で適正な価格バランスを保とうとする、グローバルなブランド運営上の狙いも含まれていると考えられます。
貴金属・素材コストの高騰
もう一つの要因が、金やステンレスといった素材価格の上昇です。高級時計業界全体を見ても、金の仕入れ価格の上昇が製造コストに直接影響しており、高級機に欠かせない金やステンレス鋼板の高騰の影響が各ブランドの価格改定の背景として指摘されています。セイコーも金属素材やムーブメント部品を多用するメーカーである以上、こうした国際商品市況の影響を避けることは難しい状況です。
世界情勢の不安定化という追い風
為替や資源価格の変動そのものも、突き詰めれば世界情勢の不安定さに根差しています。中東情勢への懸念の高まりが為替市場に影響を及ぼしているとの指摘もあり、地政学リスクの高まりは金などの「有事の資産」への資金流入を招き、貴金属価格をさらに押し上げる一因ともなっています。加えて、関税政策の動向が為替や輸入コストに与える影響も、メーカーにとっては見過ごせない不確定要素です。
スーパーコピー時計業界全体に広がる値上げの波
ご存知の通り、値上げの動きは、セイコーだけの特殊事情ではありません。2026年に入ってからも、ロレックスが1月・6月と続けて価格改定を行い、円安や原材料高騰、世界的な需要増加が背景にあると分析されています。カルティエも原材料価格の高騰や円安の影響を理由に一部モデルの価格改定を実施し、エルメスやオメガなど他のラグジュアリーブランドでも同様の値上げが相次いでいます。
こうした業界全体の動きと照らし合わせると、セイコーの今回の価格改定も、円安・資源高・世界情勢の不安定化という共通の外部環境に対応した、時計業界全体のトレンドの一部と捉えることができそうです。